904/8 Spyder "Kanguruh" (1965)
Targa Florio 1965


1964年シーズン用に開発された 904は、FRP製ボディの採用により僅か 650kgに抑えられた軽量の車体に 180馬力を発生する 356カレラ2用の4気筒2リッター・エンジンをミッドシップに搭載するレーシングモデルで、デビュー戦となったセブリング 12時間レースにおいてクラス優勝を記録しています。製造された 120台の 904のうち、一部には6気筒や8気筒のレーシング・ユニットが搭載され、ワークスマシンとしてシーズンを戦いました。

1965年には8気筒エンジンを搭載するオープンボディのスパイダーが5台用意されましたが、そのうち2台は前後のオーバーハングが極端に切り詰められており、その姿から当時「最も醜いポルシェ」と言われました。またクーペより 80kgも軽い 570kgの車体には 260馬力の8気筒エンジンが搭載され、固いサスペンションとの組み合わせによる特徴的な操縦性から、「カンガルー」のニックネームが与えられました。904スパイダーにとってデビュー戦となった 1965年のタルガ・フローリオにおいて、Gerhard Mitter、 Coin Davis らのドライブ によりクラス優勝を獲得し、総合でも排気量に勝る 3.3リッターのフェラーリに次ぐ2位を記録しています。


この作品はモノグラム(Monogram) 1/25の 904のシャーシに手を加え1/24に修正したうえ、自作のボディを載せて完成させたものです。904のプラスチック・キットはベーシックなクーペをモデル化したものが数社から出ていますが、1/24スケールには決定版と呼べるものはありませんでした。レジン製では、K.MODELS から 904の特徴をよくとらえたクーペのキットがいくつか出ていましたが、オープンボディの 904スパイダーのモデル化はありませんでした。